最近求人募集が増えていることから、比較的目にすることも多い「ヘルパー」という仕事は、正式には「訪問介護員」と呼ばれるものであり、訪問介護の事業所から利用者宅へと派遣されて、サービス担当者会議による決定を基に作成される、ケアプランに従った支援を業務として行うものです。サービス提供者会議とは、利用者本人や家族の意向を確認したり、事業者からの専門的意見を求めるなどして、ケアプランの修正や最終的な決定を下す場であり、すべてのサービス提供事業者が参加するものです。もっとも広く一般的に家事の手伝いや病人の看護などで雇われる、家政婦なども「ヘルパー」と呼ばれることもあり、実際、介護保険制度が始まった当初は、両者が混同されてしまう場面もありました。
しかし新設された地域密着型サービスの訪問介護の場合を除いて、「訪問介護員」としてのヘルパーの場合、介護保険制度に基づき、個別に定められた業務以外の支援を行うことはありません。高齢ながら自宅で生活している利用者宅において、1対1の関係を基本として支援するため、それぞれの事情に応じたきめ細やかな配慮が求められます。そのため一定以上のスキルが要求されるのであり、かつて訪問介護をすることができるのは「ヘルパー2級以上の者」と定められていましたが、現在「ヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」に改められています。従って現在訪問介護を業務として行うことができるのは、国家資格である「介護福祉士」、「ヘルパー1級又は2級」(訪問介護員養成研修修了者)、または「介護職員基礎研修課程修了者」、そして2013年度以降の「介護職員初任者研修修了者」の他にも、社会福祉士や看護師など、都道府県がそれぞれ政令で定める資格の取得者や研修の修了者に限られます。
「訪問介護員」すなわちヘルパーの仕事は、利用者宅において利用者の入浴や排せつを手伝ったり、食事の世話をするなどの支援が中心です。しかし認知症の利用者の場合には、見守りも重要であり、定期的な声掛けも欠かすことができません。そのためそれぞれの利用者のために作成されるケアプランの内容は、一人一人違います。高齢者の中には、様々な病気や慢性的な疾患や、その他数々の不自由を抱えながら日常生活を送っている人が少なくありません。更に認知症と診断される人も増加しており、この認知症に関する知識や理解も必要です。またヘルパーには利用者本人だけではなく、それを取り巻く家族などに対する支援も求められるなど、介護のプロフェッショナルとしての重い責任を担っているのです。
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ヘルパーとして、訪問介護の主力を担うということは、利用者の自宅というプライベートな場で、入浴や排せつや食事といった、利用者の極めてデリケートな日常生活を支えるのであり、思いやりを持って利用者と1対1で日々接しながら、お互いに信頼し合えるような、高いコミュニケーション能力が求められます。たとえ口には出さなくても、利用者の何気ない仕草やちょっとした表情などをよく観察して、その意を汲み取ることが大切です。